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清澄なろ液を得たいとき、能率良くろ過したいとき、役に立つのがろ過助剤です。シリカは、ケイソウ質ろ過助剤、つまりケイソウ土を原料としてつくられた粉末の製品です。ろ過助剤には、後でのべるように、プリコートとボディフィードという二つの用法がありますが、シリカはそのいずれにも用いることができます。近年、ろ過助剤の用途は、食品工業、医薬品工業、化学工業から用水、排水のろ過、さらに膜分離の前置ろ過にまで広がりました。ろしとろうという固形分の大きさに対応できるように、シリカには、微から粗にわたるシリーズがあります。

有機物が完全に燃焼するように800〜1200℃で焼成した製品です。焼成による焼結作用のために、効率的な速度でろ過できます。清澄性に優れ、注意して使用すれば、0.1ミクロンまでの固形分粒子を容易に除去することができます。代表的な用途としては、精製糖工程でのろ過が挙げられます。近年、食品衛生の観点から、防腐剤の使用が規制されるようになり、代わって、ろ過によって微生物を除去しようという方向にあります。そのような防腐ろ過に適したろ過助剤です。どちらかといえば細かいろ過助剤を用いた方が、使用量も少なくてすみます。
シリカ300S(清澄用)
シリカ300S-A(清澄用)
| シリカ300Sに比べて、ろ液の清澄度を必要とするろ過に適します。 |
シリカ100F(極清澄用)
| 極度に清澄な、キラキラ輝くようなろ液を必要とするろ過に適します。乾燥品ではなく、焼成された製品ですから安全です。 |
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少量の炭酸ナトリウムを添加して、800〜1200℃で焼成した製品です。炭酸ナトリウムはケイソウ土のSiO2と反応して、粒子表面に薄いガラスの被膜を形成するので、より安定な組成になっています。焼成品に比べ透過性が10倍以上です。清澄度もさることながら、能率良くろ過したいときに用いられ、一般工業から水泳プールに至るまで、色々な用途のろ過に広く使用されています。
シリカ645(高速用)
| 固形分の多い、難ろ過性の液や、粘度の高い液のろ過に適します。 |
シリカ600H(中速・汎用)
| 標準的な品種であって、中庸のろ過速度、中庸の清澄度を与えます。ろ過およそ60〜70%は、この品種で十分です。 |
シリカ600S(中速・清澄用)
| シリカ600Hに比べて、ろ液の清澄度を必要とするろ過に適します。 |
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