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一般に用いられるろ過助剤には、ケイソウ質とパーライト質とがあります。特定の用途を除いては、ケイソウ質が適していて、特にろ液の清澄性においては顕著な違いがあります。それは粒子構造に問題があります。顕微鏡下で、パーライトは、ガラスの破片のような単純な構造です。下図の左はシリカ製品の中の大きな粒子の、右は小さな粒子だけの走査法電子顕微鏡写真です。この複雑な粒子形状、そして小さな粒子までがケイソウ殻の破片からなるという、このケイソウ純度の高さは、従来の国産品にはみられません。シリカ製品は、秋田県で新しく開発された、優れたケイソウ土を原料としています。
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シリカの微構造
左(×660倍)
右(×2200倍) |
シリカは、通常のろ過助剤と同じように、どのようなタイプのろ過機にも使えます。ろ過に先だって、ろ材上に形成するろ過助剤の層をプリコートといい、ろ過しようという原液に少量添加するろ過助剤をボディフィードといいます。ろ過助剤を用いるろ過方式は、回分ろ過と連続プリコートろ過とに大別されます。規模を問わず広く用いられるのは回分ろ過で、フィルタープレス、リーフ型、円筒エレメント型、水平ろ板型があります。固形分粒子が難ろ過性で、しかも濃度が大きいときは、連続プリコートろ過が適します。このタイプのろ過機には、回転ドラム型プリコートフィルターがあります。

プリコートには清澄な液を用います。ろ過面積について0.7kg/m2前後、約2mm相当のろ過助剤を混合し、それを5〜15min循環ろ過すれば、ろ材上にプリコートが形成され、そこでボディフィードした原液のろ過にきりかえます。ボディフィード適応量は、固形分粒子のタイプと濃度によって大きく変化しますから、ろ過試験を行って決めます。
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| 回分ろ過操作 |

右図のように、ろ材をはった円筒が回転し、内側から真空がはたらいています。まずろ過助剤スラリーをろ過し、50〜100mmという厚さのプリコートを形成します。その表面でろ過を行い、1回転ごとにケークとプリコート面とを0.05〜0.1mm切削し、常に新鮮なプリコート面でろ過し、プリコートが無くなるまでろ過を続けます。透過性の大きいろ過助剤は、厚いプリコートを形成できますが、プリコート内へ固形分粒子の貫入が深いため厚い切削を必要とするので、そのかねあいでろ過助剤を選択しなければなりません。一般に、比較的細かいろ過助剤を用いた方が、貫入が浅いため切削が薄くてすむので、経済的です。 |
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連続プリコートろ過操作 |
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