焼却による熱利用も含めた2002年の廃タイヤのリサイクル率が、前年比2ポイント減の86.6%と4年ぶりに低下したことが日本タイヤリサイクル協会のまとめで分かった。公共工事の減少を受け、主に燃料用途でリサイクル全体の約3割を占めるセメント業界の受け入れ量の落ち込みが影響した。
2002年の廃タイヤ発生量は、市販用タイヤの販売減を受けて同1.8%減の104万トンと3年ぶりのマイナス。このうちリサイクル量は90.1万トン(86.6%)だった。
リサイクルの内訳は、回収後の一部再使用(更生タイヤ台用)や再生ゴム用などの原形・加工利用(リユース、マテリアルリサイクル)が同3.9%減の17万4000トン、熱利用(サーマルリサイクル)が同9.1%減の57万9000トン。中古タイヤなどを中心とした輸出は、為替変動の縮小などを受けて同23.3%増の14万8000トンとなった。
熱利用は、製紙業界向けが同22.9%増と2けた台の伸びを示したほかは、主力受け入れ先のセメント焼成用が廃プラスチックなど競合品の増加や肉骨粉処理などの影響で同10.1%減の28万4000トン、製鉄向けも廃タイヤの受け入れ量急増に伴う炉への影響が出た関係で同38.9%減などと落ち込み、リサイクル率全体の低下につながった。
一方、最終処分(埋め立て)や流通在庫なども含めたリサイクル以外の発生量は同14.9%増の13万9000トン。とくに最終処分量は同82.4%増の3万1000トンと急増した。
日本工業新聞 2003/4/16(水)
【ジュネーブ=清水真人】世界保健機関(WHO)は21日夜(日本時間22日未明)、重症急性呼吸器症候群(SARS=サーズ)による死亡者は217人に達したと発表した。香港で最多の94人、それ以外の中国では86人としたが、中国政府はWHOへの通報後に92人に上方修正したため、総死者数は少なくとも223人になった。
WHOは感染者数を中国で1959人、香港で1402人など計3861人とした。この点も中国政府が21日の発表を2001人と修正したため、既に3900人を超えたことが確実で、4000人に迫っている。WHOが明らかにした21日時点での香港、中国以外の国別死亡者の内訳は以下の通り。
シンガポール16人▽カナダ12人▽ベトナム5人▽タイ2人▽マレーシア1人▽フィリピン1人